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海外販路 販売商社の選び方
海外に販売を行う時、自社の代わりに現地で販売をしてくれる卸や商社がいると、輸出のハードルはぐっと下がります。
このような卸・商社は通常「ディストリビューター」と呼ばれます。
この記事では、数多くディストリビューターと一緒に仕事をしてきた経験から、ディストリビューターを選ぶ際のポイントを惜しみなく公開します。
ディストリビューターを通して販売しようとしている企業さんは是非ともこの記事を参考にしていただき、適切なビジネスパートナーを見つけて下さい。
1. ディストリビューターを挟むことのメリット・デメリット
商流の中にディストリビューターを挟むことのメリット・デメリットは、以前の記事でも紹介しました。
まとめると、以下が特徴です。
メリット
- 既に存在する販売網を活用できる
- 市場や流通への参入が簡単になる
- 貿易手続きやリスク管理の一部から解放される
デメリット
- 手数料やマージン支払が発生
- 商品の販売方法をコントロールしにくい
- 販売情報が入ってきにくい
- ブランドを築くことが難しい場合が多い
(参照記事:『輸出の手法3タイプ メリット・デメリット』。本記事はこの中の「間接貿易」にあたります。)
これらの特徴は、全てのケースにおいて発生するわけではありませんが、一般的にみられる状況です。
良いビジネスパートナーに巡り合えば、間接貿易でも強固なブランドを現地市場で構築することも可能です。
2. ディストリビューターを挟んだビジネスの流れ
ディストリビューターの選び方について話す前に、念のためディストリビューターを挟む商流とは一般的にどのようなものか、図解します。
①国内ディストリビューター
②現地系ディストリビューター
こうして図示すると、「国内ディストリビューターはほぼ全て海外業務を請け負ってくれて、自社の手を動かす必要がないからメリットだらけ」と思うかもしれません。
確かに、メリットも多いですが、デメリットもあります。
例えば、国内系ディストリビューターも海外のディストリビューターに販売している企業は多くある為、自社商品の価格にマージンが一社分上乗せされ、価格的な競争力が下がります。
また、現地顧客への商談の質が落ちたり、商談の積極性も下がることもあります。
国内系と組むにしても『海外商談には自社も同席する』といったような条件を付けたり、販売目標を合意する、等の縛りを付けて、しっかりとビジネスの動きをコントロールしましょう。
3. ディストリビューターを選ぶポイント
それでは、いよいよディストリビューターを選ぶポイントをハードとソフトに分けて紹介します。
ハード面
- 会社の信頼性・与信
相手企業そのものや、相手企業の発言の信憑性に注意しましょう。
例えば日本の大手電機メーカーなどでも、存在しない海外企業を語る巧妙な詐欺グループに騙されて大きな損失を被るケースが存在します。
また詐欺でなくとも、一部の国のビジネスマンは根拠が薄くても大きな成果目標を平然と打ち出してきます。
実際にビジネスを進めてみると、得られる成果は薄く損失ばかりになる事も。
これらの口車に乗せられないように気を付けて、リスクを最小化しましょう。 - 担当カテゴリに強みを持つ企業かどうか。
その企業がどのくらい自社商品の販売に適しているか見極めます。
相手企業が現状で同一カテゴリの商品を取り扱っているかどうか、自社商品の販売ライセンスや許認可を確実に持っているか、
等を確認しましょう。 - 持っている販売チャネル
自社の商品を、どのような販売チャネルで、どのくらいの顧客数・店舗数に販売することができるか、を確認しましょう。
現地での販促戦略や広告戦略のマネジメント力、等も重要です。 - 専売兼を与えるかどうか
現地での専売兼は、とても重要なポイントです。
ディストリビューターの立場に立った時、扱う商品と同じ商品を売る競合がいた場合、簡単に価格競争に陥ってしまいます。
価格競争をしてマージンが少なくなった商品は扱う価値が無いので、販売代理店をやめてしまうでしょう。
その際、在庫処分の為に返品を求められたり、在庫処分で価格を下げて販売したためにブランド価値が失墜する、
等というリスクもあります。
その企業に専売兼を渡すべきかどうか、また、その契約はどのようにすべきか、よくよく考えて決めて下さい。
ソフト面
- 企業/担当者の方針・性格の合致。
いわずもがな、ビジネスは信頼関係です。それぞれの企業文化があまりにズレていたり、担当者レベルでも相手部署との相性があまりに悪い場合は要注意です。
ただでさえリスク要素の多い国際ビジネスなので、信頼関係を構築することは国内での商売以上に大切です。 - 相手のサイズと自分のサイズ
相手企業にとって、自社の売上規模が小さすぎる場合、相手の中で自社商品の優先度は低くなりがちです。
最低でも自社商品の販売が相手企業の売上の0.5%以上を占める(または占める見通しがある)くらいのサイズ感がひとつの目安であるように思います。 - 情報の透明性
商談先の情報や販売状況をどのくらい開示してくれるか、も重要な要素です。
販売状況を分析して一緒に次の打ち手を考えるようなビジネスパートナーと巡り合えたらきっとうまく行くことでしょう。
4. ディストリビューターの探し方
最後に、どのようにディストリビューターを探し出すか、です。
まず、日系のディストリビューターはネット検索でいくらでもヒットします。
自社に合いそうな企業を探してみましょう。
現地系のディストリビューターとのビジネスマッチングには以下のような方法があります。
- 独自ルート
独自ルートの紹介などによりディストリビューターと繋がる場合、信頼しやすい企業と知り合えます。
銀行や商工会議所からの紹介、取引先企業からの紹介、等を探ってみましょう。 - 展示会
展示会でディストリビューターを見つける企業も多くいます。
国内系ディストリビューターを探す場合は国内展示会、現地系を探す場合は海外の展示会に行きましょう。
展示会情報はこちらから。 - オンラインのビジネスマッチング サイトに登録する
公共団体や企業が運営するビジネスマッチングサイトに登録する方法もあります。
他の方法に比べて受動的なので、効果は小さいかもしれません。
例
日本 JETRO: 『Japan Street』
日本 中小機構:『J-GoodTech』
イタリア:『CBP Business Matching』
インド:『Trade India』(一部有料です。)
…他にも存在しますので、自社に合わせたサイトに登録してみてください。
おわりに
以上、いかがでしたでしょうか。
ご自身の企業の状況によって適した戦略はありますが、
おすすめは「現地のディストリビューターと直接ビジネスをする」ことです。
情報の透明度が高いこと、価格設定にメリットを出しやすいこと、の2つが主な理由です。
自社だけでディストリビューターを開拓するのが不安な企業様や、海外事業を委託したい企業様は、
弊社にてサポートや委託を承っております。
是非ご相談下さい。
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