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成功する海外事業部の仕事方法とは<前編>

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この記事を読むとわかること

海外事業部の成功要因がいまいちわからない。

海外事業部が何だかうまくいっていない。どうしたらいいのか。

どのようにしたら海外事業部が成功するのか、この記事を読めばヒントがあるはずです。

私自身の海外事業の例や、過去にアドバイザリーをさせていただいた複数の企業様の事例を思い返しながら、成功する海外事業部の構築方法をお伝え致します。

初年度ターゲットを280%達成した海外事業部や、輸出実績をターゲットの半分の時間で達成できた海外事業部など、彼らはどのようなポイントに気を付けて成功を得たのでしょうか。

エッセンスにまとめましたので、ご覧ください。

尚、この記事に関してご注意いただきたいのは、本記事が「海外事業の成功」ではなく「海外事業部としての成功」を志向している点です。

海外事業の成功だけならば別の方法を推奨する場合がありますし、また一般的な事業部の成功要因をお探しの方にも少し合わない内容になっていると思います。

読者の方がこの記事をお読みいただいた後、チームに何が足りないのか、どのように人材を育成し、どのような戦略を実行すれば良いのか手がかりを掴んでいることを願っています。

 関連記事として「失敗する要因」も参照してみて下さい。

(本記事を読むのにかかる時間:約5分)

海外事業部の成功に必要な要因は6つ:

  1. 商品USPおよび自社SWOTの理解
  2. ビジネスモデル
  3. ビジネスのしかた
  4. ビジネスパートナーの選び方
  5. 投資のしかた
  6. 基礎能力

これらの内容を、ここから個別に解説します。

1. 商品USPおよび自社SWOTの理解

まともなディストリビューターやバイヤーと話している際、海外で商談する際に必ず聞かれることは「この商品は日本ではどのように、そして何故売れているの?」です。

既にUSPや自社の強みを言語化して理解できている企業も多いでしょう。

しかし、売上が数十億円あるような企業でも自社商品のUSPがはっきりしていなかったり、してはみていても弱かったり不十分なものだったりすることが多いです。

まずはこの問に十分に答えられるだけの自社商品のブランドアイデンティティや、差別化ポイントを言語化しましょう。

2. ビジネスモデル

海外事業部のビジネスモデルにおいて特に重要なのは5つ:商流、物流、情報流、取引制度と契約、リスク管理、です。

商流では、ディストリビューターや販売会社を使ってパートナービジネスをするのか、自社で直接進出するのか、越境ECをするのか、または日系商社と国内で取り組むのか、…等々。

どのビジネスモデルを採用するかは、上記のSWOTの結果や、次段落の「ターゲット設定」のしかたによって変わってきます。

取引制度や契約では、どのような建付けにするか細かいところまで想定して作りこみましょう。

ましてや商習慣や常識という根底が異なる外国企業との取引の場合、想定しえない不慮の出来事により取引先との雲行きが怪しくなることは往々にしてあります。

これらの「不慮」を、事前に情報を集めて極力ゼロにすることが求められます。

リスク管理は、即ち落とし穴をふさげているかどうかです。

特に物流上のリスクや、売掛金回収のリスクなどは海外ビジネスで絶対に抑えるべきポイントです。現地で商品不良により大規模クレームが発生することもあり得ないとは言い切れません。 

これらの「穴」をしっかりと塞いでおくことで、安定した土台に立って様々な販売拡大施策を打つことが出来ます。また、ルールが明文化されていると取引先とも共通認識を持ちやすく、結果として安心につながるでしょう。

ここでは長くなるので物流と情報流については触れません。(これらの要素はビジネスごとにケースバイケースなことが特に多いため、という理由もあります。)

もし詳しくお知りになりたい場合は是非お問い合わせ下さい。

3. ビジネスのしかた

ビジネスのしかた、つまりコミュニケーション方法や商談の掘り下げ方、提案のしかた、などは客観的なスコアでは表せませんが、非常に重要な要素です。

例:

ターゲット設定は出来ているか

ターゲットは高すぎないか。そもそもSMART*にターゲット設定が出来ているか。(* SMARTはターゲットを設定のフレームワークです。)

商談の深さ(信用の醸成)を作れているか

日本で関係の浅い取引先と商談する時を思い浮かべて下さい。

相手が信用に足る会社か?担当者は信頼できるか?相手からの提案は的を射た正しいことを述べているか?…と、色々なことを吟味しながら相手を推し量ると思います。

海外企業との商談でも同じことが必要ですし、相手もまた同じ目で自社を見ています。

仕事をしやすいと思われているか。

例えば東南アジアのビジネスマンと仕事をする時、メールだけで仕事をするのではビジネススピードについていけません。現地のコミュニケーションアプリや、デジタルツールを使って、相手の歩調に合わせることが重要です。

他にも、日本人にとって雑な意思決定だと感じたり、「そんな根拠も無く決めていいのか?」と思うことも、海外では当たり前。失敗してもチャレンジすることの方が大切だと思っている人種の方が多いです。

日本企業によくある『持ち帰って稟議にかけます』は海外では「決定力が無い」と捉えられる傾向があります。事前に協議事項の内容を予測したうえで社内決済を予め取って置くなどして、その場でビジネスを前に進められるようにしましょう。

全てを相手に合わせる必要はありませんが、実は日本の商習慣は海外から見るとかなり特殊で無駄が多いと思われているという事を頭の片隅に置いておいて下さい。

相手のニーズや、現地のニーズに寄り添っているか

相手のニーズを汲むことが出来ていれば、ディストリビューターもリテーラーと商談がしやすく、リテーラーも御社の商品を売りやすくなります。

「日本で販売している製品の形の方が売れやすい」、「これがうちの商品だから」、と思っていても、海外市場では受け入れられない場合が多いです。

海外市場は日本では無いという事を肝に据えて、現地で売れる商品を作りましょう。

商品、商談資料、デモ、の質は十分か

先に挙げたUSPが分かっていても、それが伝えられないのでは意味がありません。

例として(例外もありますが)、殆どの国は日本語のパッケージのままの商品では商品が売れません。

当たり前ですが、消費者や顧客が商品を購入するのは、その商品の便益が分かった時です。

現地で商品の良さが伝わるようなパッケージになっているか?商品のサイズは適切か?といったような要素をしっかりと考え、現地のニーズに対応できるような設計にしましょう。

商談資料も同様です。論点はまとまっているか?伝えたいものがこの資料で伝わるのか?資料だけでなくデモがあった方が良いのではないか?等々、必要な要素をしっかりと考えて準備することが大切です。

いかがでしたでしょうか。

記事分量が長いので、この続きは後編にてお話させていただきます。

是非ご覧ください。

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